義父：
遺言として録画しておいておくれよ。

私：
録画は正式な遺言にはならないよ？
それでも録画するの？話すの辛くないの？

(動画を正式な遺言としたい場合3名以上の立会人、そして音声の書き起こし、義父自書によるサイン及び押印が必要だからです。)
(日本では主に火葬されることが多いため、指印では後々その遺言を正式なものとして証明する事が難しいです。)

義母、主人、私。
立会人の人数は満たしていますがサインが出来るような状態では在りませんでした。
当然印鑑など持ち歩いていません、ましてや病院に持って行くなんて考えてもいませんでしたから。

主人：
今の嫁ちゃんの説明聞いた？それでも良いって言うなら録画するよ。

録画中、頑張って声を振り絞っている義父の言葉を遮るように義母は執拗に何度も何度も義父に迫ります・・・。

義母：
私の生活費は払ってよ、ちゃんと言ってよ、生活費、生活費。

義父：
黙りなさい。
嫁ちゃん、母上ちゃんにアドバイスお願いします。
書類の整理は主人クンも母上ちゃんも出来ないと思うのでお願いします。

義母：
生活費！

義父：
すべて私〇〇〇〇の財産は長男である●●●●に譲ります。

義母：
わたしの生活費は？！
お小遣いとかどうするのよ？！？！

私：
あー、うるさい。

そう思ってる私に義父はその書類が何なのかを一生懸命に説明してくれました。
生命保険や火災・家財保険、義父の頂いている年金や公的に必要になる申請手続き、遺族厚生年金となる受給に関する整理、用意。
その手続き整理をした上で義母に説明サポートしアドバイスをして欲しいとの事でした。

なんで法定相続じゃなくて全財産とか言い出すの・・・？
わたしは役所の人間でも法律家でもない、弁護士だとか税理士だとか介護士でもない・・・と、あちゃー・・・だなんて思いましたよ。

それからたった数日後、夜中の3時過ぎ病院から連絡があり私たち夫婦は飛び起きるのでした。

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